どうも! 吉田航基(@hiyoko_tabi)です。
今回は出荷遅延率の悪化によるアカウント停止を解説します!
Amazonでは商品発送が遅れてしまうと出荷遅延率が悪化して、アカウント停止につながります。
Amazon出荷遅延率の基本情報
まずはアカウント健全性ページから出荷遅延率について考察していきます。
「アカウント健全性」から読み解く
出荷遅延率が悪化しているかどうかは、アカウント健全性ページを確認しましょう。
出荷遅延率は右側の「出荷パフォーマンス」の一番上に表示されています。
こちらのページでは30日間の出荷遅延率の割合と、「出荷遅延を起こした数」「注文合計数」をチェックすることができます。
10日間または30日間の出荷遅延(出荷予定日を超えて発送した注文の割合)が目標数値4.0%を上回ってしまうと、アカウント停止(出品者出荷の停止)の可能性があります。
25件に1件(100件で4件未満)が目安です!
出品者出荷(自己配送)の注文のみが計算対象です
出荷遅延率は、10日間または30日間の注文のうち、出荷予定日より後に出荷通知が送信された注文の割合です。出荷遅延率は、出品者出荷にのみ適用されます。
出荷遅延率
またキャンセル率を含むパフォーマンスが悪化すると、ショッピングカート取得率にも影響するので悪いことづくめです。
「出荷パフォーマンス」から読み解く
アカウント健全性ページの右下「詳細を表示」をクリックすると、「出荷パフォーマンス」ページに切り替わります。
「出荷パフォーマンス」ページでは、出荷遅延率の対象期間(○年○月○日〜○年○月○日)を確認できます。
昔は数日遅れの計算期間が表示されていたのですが、現在はほぼリアルタイム表示です。
またこちらの対象期間には各注文の「出荷予定日」が反映されます。
「注文日」ではないため、例えば出荷遅延率を改善するために商品を大量販売したとしても、数日のタイムラグがありますので要注意です。
また、10日と30日ごとの計算結果が表示されますが、個人的には10日間の方にはあまり意味はないと思っています。
10日間で停止になった事例が過去にないことや、アカウント健全性TOPページには30日間合計しか表示されないところを見ると、10日間の方は任意目標ではないかと予想しています。
「出荷遅延率レポート」から読み解く
なお出荷遅延率については、いつどの注文が遅延したのかをレポートで出力することができます。
先ほどの「出荷パフォーマンス」の画面の下の方に、オレンジ色のレポート出力ボタンがあります。
出荷遅延率レポートの取得方法
左側「出荷遅延率」のタブを選択します。
下にスクロールして「レポートをダウンロードする」ボタンをクリック
ストア運営をしていると「あれ?自分が思ったよりも出荷遅延率上がってない?」という時が必ず起きます。
そんな時は、出荷遅延率レポートを出力して「操作ミス」「出荷忘れ」「従業員の欠勤」などの問題が発生していなかったか、必ず確認しましょう。
これらの出荷ミスは気づかないまま連続して発生することが多いので、早期発見しないと一気に悪化します
また警告や停止が発生したらすぐにレポートを取得しておく必要があります。
例えば出品者出荷が停止になってから1ヶ月後に取得しようとしても、リアルタイムのレポートしか取得できないので「いつ、合計何個のどの注文が、なぜ指標悪化につながったのか」といった詳細情報がわからなくなります。
たった数日遅れて取得したとしても、警告や停止などの「問題発生時」の情報とは微妙にズレてしまいます。
そのため、改善計画書を作成するときに困らないようにレポートなどの一次資料はすぐに取得しておきましょう。
出荷遅延率のメール文面3選
出荷遅延率が悪化すると「パフォーマンス通知」の画面に、アカウントに関する通知が届きます。
警告時のメール文面
平素はAmazon.co.jpをご利用いただき誠にありがとうございます。
Amazonマーケットプレイスでは、ご参加いただいている出品者様に対して優良なパフォーマンスを維持していただけるよう顧客満足指数を設けています
このたび、顧客満足指数における出品者様の出品者による出荷注文の「出荷遅延率」をお調べしましたところ、目標数値4%以下を上回る高い数値が確認されました。今後、数値に改善が見られない場合、出品者様の出品権限に制限がかかる場合がございますため、注意喚起のご連絡をさせていただいております。
なお、出荷遅延率とは、Amazon.co.jpを利用して販売された商品の在庫状況を示す指標です。顧客満足指数の出荷遅延率を確認することは、顧客満足度に関するパフォーマンスの改善点を把握するための有効な手段になります。
顧客満足指数は、以下のリンクよりご確認いただけます。
なお、上記において改善が見られず、顧客満足指数が継続的に目標数値を達成していない場合は、アカウントを調査のうえ、当サイトより今後のお取引を停止させていただく場合もございますことをご了承ください。
出荷遅延率が上昇して「4.0%」を超えた場合、まずは警告メールが届きます。
具体的には「4.0%」を超えたまま数日経過しても目標数値を上回っている場合、こちらの通知が届くようです。
こちらの通知が届く段階では、特にアカウントに制限がかかっているわけではありませんが、ここからさらに数値が悪化するとアカウント停止になる場合があります。
おそらく今までの警告回数やその後の状況は、全てデータで蓄積されています。
そのためこのまま放置はリスク大です。少なくとも2回は警告を受けると3回目は停止になることが多いイメージです。
具体的には何度も警告を受けたり、長期間の違反、警告後に数値を悪化させたセラーには厳しい印象です。
逆に、一気に出荷遅延率が上がってもすぐに下げるセラーに対しては比較的優しい印象ですね。
そのため「5%」で停止になるセラーがいる一方、「70%」でも停止にならないセラーも存在します。
つまり出荷遅延率によるアカウント停止を防ぐためには「早期発見と迅速な対策」と「今後の発生抑止」が非常に重要です。
おそらくAmazonは回数や日数を含むあらゆる出荷遅延の「前科」をデータ分析しているはずです。アカウント停止の理由を与えないためにも、出荷遅延関連の数字は常に正常値にしておきましょう。
レビュー中のメール文面
最近の出品者出荷注文のうち、出荷予定日以降に出荷通知が送信された割合が全体の4%を超えています。このような問題への対応が見られない場合、商品の出品者出荷は、約72時間後に無効になります。
このような問題が起きている理由
4%以上の注文で出荷の遅延が確認されました。出荷遅延率は4%未満に抑える必要があります。10日間および30日間の注文について計算されます。Amazonの出荷遅延率ポリシーについては、以下をご覧ください。
今後のご対応
72時間以内に、以下の項目についての説明を明記した改善計画をご提出いただきますようお願いいたします。
— 出荷通知遅延の根本原因
— 出荷通知遅延の問題を解決するために実施した手順
— 出荷通知遅延の問題が今後発生するのを防ぐために講じた改善策
出荷遅延の問題が長引いたり何度も起こしたりするとレビュー中(72時間以内)の通知が届きます。
出荷遅延などのパフォーマンス悪化は、すぐに停止にならずレビュー中という状態を挟みます
ただし停止一歩手前の状態ですので、アカウントが危険なことには変わりありません。
72時間以内に有効な改善計画書を提出できない限り、出品者出荷を停止されるので要注意です。
停止時のメール文面
出荷遅延率の問題を解決するための有効な改善計画をご提出いただいておりません。
そのため商品の出品者出荷は無効になりました。
出品者様の売上金は、アカウントに生じた問題が解決されるまで全額留保されます。
現時点でのアカウント残高は 円です。この金額はアカウントの状況により変動する場合があります。
出品者様のアカウントにこれ以上の影響が出ることがないよう、未処理のご注文がある場合は、できるだけ速やかに出荷処理を行ってください。
このような問題が起きている理由
出荷遅延率が4%の目標値を上回っています。出荷遅延率は4%未満に抑える必要があり10日間および30日間の注文について計算されます。
商品の出品者出荷を再開する方法
商品の出品者出荷を再開するには、以下の項目についての説明を明記した改善計画をご提出ください。
— 出荷通知遅延の根本原因
— 出荷通知遅延の問題を解決するために実施した手順
— 出荷通知遅延の問題が今後発生するのを防ぐために講じた改善策
レビュー中の72時間以内で有効な改善計画書を提出できなかった場合、上記の停止メールが届きます。
*出荷遅延などのパフォーマンス悪化は、アカウント停止ではなく出品者出荷の停止という特殊な停止になります。
つまりこの文面が届くと自己出荷商品は全て出品停止になりますが、FBA商品は引き続き出荷可能です。
また出品者出荷の停止において売上金が留保されるかどうかは、かなり不安定です。
一切留保されることなく振込されていく場合も多いですが、たまに先ほどのメール文面に記載されている通り「全額留保」される場合もあります。
Amazonを心から信じるのはおすすめしないので、次の振込日に本当に銀行口座に入金されるかどうかはしっかりと確認する必要があります。
2回目以降のメール文面
— 出荷通知が遅れた問題の根本原因についての詳細な説明。
— 出荷通知の遅延の問題を解決するために出品者様が実行したアクションについての詳細な説明。
— 出荷通知の遅延が今後発生しないようにするために出品者様が講じた対策についての詳細な説明。
2回目以降は「出荷通知が遅れた」との文言が追加されますが、意味としては同じです。
要するに「出荷が遅れて」出荷通知が遅れたことについて問われているので、前回同様に出荷遅延に関する改善計画書を提出すればOKです。
また後半部分に「詳細な説明」と記載されているので、次回はより詳細かつ具体的に書いてくださいと求められています。
なお、たまに根本原因やアクションだけ聞かれる場合があります。
これは要求されている部分が特に足りないという意味なので、問われている部分を重点的に修正することでアカウント再開にさらに一歩近づくことができます。
出荷遅延率の悪化を防ぐ方法
出荷遅延率の悪化に関しては、できる限り未然に対処する必要があります。
そのため、悪化した出荷遅延率を改善するための具体的な方法をご紹介していきます。
FBA配送への移行
根本的な問題を解決するなら、全ての商品発送をFBA倉庫に委託する方法が確実です。
出荷遅延率は自己配送のみをカウントしています。
そのため全商品をFBA配送にすると、出荷遅延率は0件/0件になるので永遠に0%です。
出荷遅延率は出品者出荷にのみ適用されます
出荷遅延率
もし全ての商品のFBA配送が難しい場合でも、出荷作業しづらい商品はFBA配送、すぐに出荷できる商品は自己配送にそれぞれ切り替えるだけでもかなり効果がありますよ。
出荷作業日数を調節する
まずは出荷遅延率の状況に応じて、出荷作業日数を上手に調節していきましょう。
出荷作業日数って?
商品配送までの日数設定です
出荷作業日数は、カート率や顧客心理の関係から基本的には短いほど売上が上昇します。そのため多くの方が出荷作業日数をギリギリで設定しています。
これらの出荷作業日数は、出荷遅延率がギリギリの場合は1日-2日増やすことをオススメします。
多少の売上減よりも、危険を感じた時にすぐにリスク回避できる方が何倍も重要です。
一括出品ファイルを利用すれば、全ての商品の出荷作業日数だけを一瞬で変更することができますよ。
出荷通知の押忘れを防ぐ
出荷遅延率の悪化を防ぐためには、出荷通知の押し忘れを防ぐことも超重要です。
何十個という注文を出荷通知を出し忘れると、一瞬でアカウントがお陀仏になります。
これを防ぐためには、毎日業務終了時に出荷予定日を確認するエンドルーティーンを作ってしまうのが一番です。
一番わかりやすいのは「注文管理」ページから出荷予定日を絞り込んでチェックする方法です。
また売上シートをEXCELやスプレットシートで作成して、1注文ごとに完全管理するのも有効です。
僕の場合、以下の方法でスプレットシートで1注文ごとに1行ずつ徹底管理していました。
- 注文の状態別で塗りつぶしで色分けする
- 注文ごとに注文詳細ページ(出荷通知ボタンがあるページ)へのリンクを貼っておく
- 毎日終業時に未出荷の色分けになっている注文を、そのリンクを開いてチェック
安価商品を大量販売する
リアルタイムで出荷遅延率がヤバイ方は、応急処置として一時的に安価商品を大量販売するのが一番です。
出荷遅延率の「分母」の部分を一気に増やすことで、すぐに基準値未満だったあの頃に返り咲くことができます。
そのため、出荷遅延率が基準値ギリギリになってきたら、多少赤字になったとしても商品販売数を増やしましょう。
個人的なオススメとしては、1日に何十個も売れる100円の文房具を最安値で販売するのが一番です。
数千円の赤字が発生する場合もありますが、1日何十個も売れるので一気に出荷遅延率を薄めることができます。
なお100円の商品を10円とかで販売すると適正な価格設定に関するポリシーの違反になってしまうため、最安値付近を狙うのがベターですね。
安い値段で大量販売するのでお客さんにも感謝されますし、高評価も増えるのでその意味でもオススメです。
今後のためにも事前にそうした商品を仕入れておき、即座に販売できる状態にしておきましょう。
ただし事前に販売するASINの「最大注文個数」を必ず1個に設定しましょう。これをしないと、例えば30個販売しようとしても30個を1つの注文番号で購入されて分母が1しか増えずに赤字だけが増えます。
最大注文個数の設定は「在庫管理」ページの、該当ASINの右側「詳細の編集」ボタンをクリックします。
開いた画面を下にスクロールした先の、最大注文個数を「1」に設定して保存すれば完了です!
これは注文保留テロ対策にも有効なので、覚えておいて損はないかもです。
自分で大量購入はしない
先ほど安物商品を大量に販売する方法をご紹介しましたが、これを悪用して自分で大量購入する方法はオススメしません。
つまり自分の購入用アカウントを使って、自分の出品商品を購入する方法です。
100円で販売して100円で購入すれば、Amazon販売手数料分は赤字になりますが、手間がかからず大量に出荷遅延率の分母を増やすことが可能です。
しかしこの方法は、絶対にやめましょう。
Amazonはセラーセントラル上のあらゆるデータを収集しています。
そのため同じストアからの大量購入は一瞬でバレます。僕自身、試してみてアカウント停止になった過去があります。
不特定多数の人に買ってもらうのが、出品者評価を多くもらえる意味でもベストだと思います。
なお大量に購入アカウントを作って少しずつ購入してもバレます。「大量の新規アカウント」とか「毎回同じストアの商品を買っているアカウント」みたいな感じで、どうやっても怪しくなるためです。
現在は購入用アカウントを作成する際にSMS認証が必須なので、どちらにしても購入用アカウントの大量作成は難易度が高めだったりします。
出荷通知を先に押さない
出荷遅延率の悪化を防ぐため、商品の出荷前に先に出荷通知だけ押しておくのもオススメしません。
つまり追跡なし or 反映前の追跡番号を入力して、発送通知ボタンだけ先に押す方法です。1日〜2日程度はお客さんに気づかれず発送を遅らせることができます。
この方法は、主に3つの問題が発生します。
- 追跡可能率の悪化でアカウント停止
- 顧客からの苦情で注文不良率が悪化
- 「出荷通知の悪用」でアカウント停止
1000円以上の商品を「追跡番号なし」「反映されない追跡番号」で発送すると追跡可能率が悪化します。
下手すると追跡可能率の数値の方が悪化して、そちらで出品者出荷の停止になるので要注意です。
また顧客からの苦情がストアにも多く届くため、低評価やマーケットプレイス保証申請の原因になります。
注文不良率が悪化する原因に繋がるので、今度はそちらで出品者出荷の停止の恐れがあるので要注意です。
また、顧客がAmazonカスタマーサポートに直接苦情を送る場合があります。
Amazonにバレると、出荷通知を押した後にそのまま商品を出荷しなかったことが原因でアカウント停止になる場合があります。
出品者出荷の停止からの再開手順
出荷遅延率の悪化による、出品者出荷の停止からの再開手順をまとめました。
出荷遅延率の改善計画書のコツ
出品者出荷が停止になってしまった場合、以下の内容に沿った改善計画書を求められます。
出荷通知遅延の根本原因
出荷通知遅延の問題を解決するために実施した手順
出荷通知遅延の問題が今後発生するのを防ぐために講じた改善策
改善計画書で一番重要なのは「原因」の部分です。ここがズレてしまうと、全ての内容がズレたものになります。
僕の経験上、出荷遅延が発生する原因は以下のケースが多いです。
- GWなどの繁忙期で発送が遅れた
- 出荷通知を出し忘れた
- 出荷作業日数が短い
上記の根本原因に対して、今回の問題の解決策、今後の対策方法などを具体的に記載していきましょう。
アカウントが再開できない場合
アカウントを取り戻すには数千文字の分量でAmazonが求めている内容での改善計画書を提出する必要があります。
ただ、初めてアカウント停止になった方が一人で書き上げるのはかなり難しいです。もし数千文字書き上げたとしても、その内容は「相手が求めている文章」とは大きくズレていることがほとんどです。
提出回数が増えるごとに相手の反応は冷たくなっていき、再開しづらくなっていきます。
そんな少ないチャンスに見当違いの文章を提出して、アカウント再開の機会を逃してしまうのは非常にもったいないですよね。
そんなお困りのセラーのため、弊社では合計700件以上のアカウント再開実績を通じてAmazonアカウント復活代行サポートを実施中です!専門家の私が全力でサポートします。
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お困りの方は、ぜひ一度弊社までご相談ください。
Amazon出荷遅延率の悪化|まとめ
「出荷遅延率の悪化」に関する最新情報でした。