どうも! 吉田航基(@hiyoko_tabi)です。
今回はAmazon知的財産権侵害でアカウント停止になった際のガイドライン記事です。
実は知的財産権侵害はアカウント再開に請求書が必須ではありません。だからこそ改善計画が命なんです。
そんな改善計画書に必要な情報を、知的財産権の各権利ごとに解説していきます!
Amazon知的財産権侵害とは
そもそも皆さまは知的財産権とは「なにか」を知っていますか?
自分がどんな原因でアカウント停止になっているのかすら知らない方は、残念ながら再開できないと思っています。
敵も知らずに闘おうとする人間は、闘う前から負けているんです。これは孫子の兵法の一つですが現代でも通用します。
アカウントが再開できない多くの方は、知的財産権がなんなのかさえ分からないまま、ネットに落ちているテンプレの改善計画をそのまま送っているだけだったりします。
そりゃ再開なんてしませんよね。
なので「知的財産権ってどんな権利なのか」をまず一緒に把握していきましょう
知的財産権の6パターン
知的財産権とは、メーカーが自社商品を守るために設定する権利の総称です。
知的財産権という法律や権利があるわけじゃないんだね
知的財産権が存在しないと、せっかく自分が作ったモノやサービスが「他人に奪われまくり、真似されまくり」です。そのため知的財産権って大事なんです。
そんな知的財産権は「商標権(偽造)・著作権・意匠権・特許権・肖像権」などに分かれています。
一番メジャーな「商標権」
一番メジャーなのが商標権侵害です。
商標権とは、ブランドの「名称」と「ロゴ」を保護する権利です。
例えばNIKEの場合、「NIKE」というブランド名と、「✔︎」というロゴは商標登録しています。そのため他の会社はNIKEという名前の靴は作れないし、勝手に無許可で販売できないんです。
そのためNIKEに無許可で、勝手にNIKEブランドの商品を販売することは商標権侵害になってしまいます。
NIKE社としては本来決められた正規代理店だけに販売してほしいのに、訳のわからない業者が勝手にNIKEブランド商品を無許可で販売している訳ですからね。普通に民事訴訟されたら負けます。
謎業者のせいで市場価格がおかしくなったり、偽物が流通してブランドイメージが下がるかもしれません。そのため自社が認めた代理店以外は、全て権利侵害で通報して排除したいのがメーカー側の立場です。
商標権の一種類が「偽造」
ちなみに商標権については「偽造」という記載になっている場合があります。
偽造は、商標権の侵害の一形態です。偽造とは、商標権者が提供していない商品の販売に関連して、登録商標、または登録商標に酷似するマークを違法に複製することです。偽造の場合、商品またはパッケージに登録商標が使用されます。
知的財産権ポリシー
商標がある商品を許可もなくAmazonに登録・出品しちゃったのが商標権侵害、そもそも商標商品やロゴ、画像などを作っちゃったと思われているのが偽造という扱いですね。
ホビー系に多い「著作権」
知的財産権の中でも特殊なのが著作権です。
著作権は他と違って権利が自動発生します。つまり「書籍・音楽などの作品」は完成した時点から、勝手に改変・販売できなくなります。
キャラクターものを販売していると、この著作権に出会う可能性が高いです。
著作権は、経験上「ポケモンカード」「レゴブロック」などで確認しています。特に任天堂は、あらゆる権利で通報しまくってくるため注意が必要です。
最近増えている「意匠権」
意匠権は、商品やサービスの「デザイン」に特化した権利です。
主にApple watchやiphoneのデザイン、カメラレンズのデザイン、車のタイヤのデザインのように、精密機器のデザイン(形状)を保護しています。
滅多にないのが「特許権」
知的財産権の中でも珍しいのが特許権です。
特許権が商標権や著作権と違う点は、「発明」を保護する権利であることです。
僕自身も過去一度しか見たことがなく、お目にかかる機会は非常に少ないですが、数年前に、画鋲(IronBuddyのプッシュピン)で経験したことがあります。
このように日用品にも設定されているため要注意です。
芸能人グッズの「肖像権」
アイドル・ジャニーズなどの芸能人グッズについては、肖像権侵害の指摘を受けることがあります。
これは法律で決められていない「新しい権利」であり、法律ではなく過去の判例で認められています。
ついでに言えばAmazon知的財産権ポリシーにも明記されていません(なぜそれでアカウント停止にするのか…)
この権利を一言で表現すると「自分が写っている写真を第三者に勝手に使われない」ことを保障する権利であり、無断で芸能人グッズを販売していると、芸能事務所から通報されます。
「Apple watch」で例えてみると…
「Apple watch」でそれぞれの権利の違いについて、分かりやすくまとめてみました!
- 「Apple watch」という商品名は商標権(偽造)で保護される
- 「Apple watch」の時計の形状やデザインは意匠権で保護される
- 「Apple watch」と鬼滅の刃との限定コラボ時計だったら、キャラクターの著作権でも保護される
- 「Apple watch」の時計内部の歯車やゼンマイは、特許権で保護される
- 「Apple watch」とジャニーズとの限定コラボ時計だったら、写真の肖像権でも保護される
知的財産権は「2種類」存在する
実は知的財産権は細かく分けると2種類存在します。
簡単に言うと直接権利者が通報したパターンと、通報していないパターンです。
権利者が通報したパターン
権利者が通報した場合、パフォーマンス通知で警告が届く場合が多いです。
「商標番号:123456789」「権利者名:〇〇」「権利者メールアドレス:〇〇」のように、具体的な権利者情報が記載された警告メールが届いている場合は、このパターンです。
どの企業のどんな商標権を侵害したのかわかりやすいため、改善計画は書きやすいですね。
なお、Amazon規約では権利侵害を通報する場合、権利者は「ASINごと」「販売業社ごと」「商品ページごと」に申請することが可能です。
【商標権侵害】
ASIN単位: Amazon上で販売されている商品で、ご自身の商品ではないにもかかわらず登録商標が付されている場合、ASIN全体または商品詳細ページ全体を商標権侵害として申告できます。
販売業者単位: 特定の販売業者がご自身の商標権を侵害する商品の出品を行っている場合、そのオファー(注文)を権利侵害として申告できます。オファーを申告する場合、商品詳細ページおよびASINはそのまま残る場合があります。ASIN全体ではなくオファーを申告する場合、ASIN全体または商品詳細ページではなく、権利を侵害しているオファーのみについて言及していることになります。申告の根拠として、有効な注文番号とともに試買についての情報を提供することも有益です。
商品詳細ページ: ご自身の商品ではない商品詳細ページ上でご自身の商標が使用されている場合、商標の使用を権利侵害として申告できます。
知的財産権の権利所有者
つまり「ASINを指定して通報」「販売業社を指定して通報(実注文番号が必要)」「商品ページを指定して通報」という3種類が可能なんですね。
なお、わざわざ注文してから通報してくる権利者がいますが、それは「販売業社を指定して通報」する方法をとっているためです。
権利者が通報していないパターン
なぜか権利者が通報していないのに、勝手にアカウント停止を食らう場合があります。
企業が事前に「商標番号〇〇は、ウチの権利だから、他の出品者が出品登録していたら対応お願いします」といった「事前申し込み」をしていることが原因です。
本当にこのようなことがあるのでしょうか?
実際にAmazonでは「自動保護機能」というものが実装されています。
出品者が登録商標の権利所有者である場合、出品者のブランドはAmazonブランド登録に登録することができます。出品者はAmazonブランド登録の効果的なツールで、テキストや画像の検索機能や、知的財産権を侵害している可能性のある商品を出品者からの申告に基づき検出する自動保護機能を使用できます。
知的財産権の権利所有者
つまり権利者は個別に通報する以外にも、Amazonに「このブランドに自分以外が出品してきたら偽造品ですよ」と事前に自分以外が出品登録できないようにブランド登録していくことができます。
そこにまんまと訳のわからない出品者がブランド商品を出品した瞬間、Amazonのシステムが作動してアカウント健全性の知財関連の数字が増えるのだと思います。その累積でアカウント停止になります。
なんて恐ろしいんだ…
通報を受けやすいメーカー商品は出品しないのが吉ですね
知的財産権の「警告メール」対処法
アカウント停止になる前の知的財産権の「警告メール」の対処法を解説します。
僕の経験上、知的財産権の「警告メール」が3回以上届くとアカウント停止になることが多いです。
別記事で「①警告メールが届いた際の対策」「②警告メールを届かないようにする対策」をそれぞれ手順をご紹介しているので、まだアカウント停止になっていない方は、こちらの記事もご参照ください!
警告メールの対処法
知的財産権の「アカウント停止」対処法
知的財産権のアカウント停止が発生すると、改善計画を提出する必要があります。
請求書以上に改善計画に重点を置く
— 商品の信憑性を証明するもの(請求書、注文番号、認可書など)
— 侵害の根本原因についての詳細な説明。
— 問題を解決するために行ったアクションの詳細な説明。
— 今後侵害が発生しないように実施した対応の詳細な説明。
— ご利用のアカウントがAmazonのポリシーに準拠するようにした方法の詳細な説明。
— ご利用のアカウントが Amazon のポリシーに準拠していることを示す証 拠または実例の詳細な説明。
知的財産権の改善計画の特徴は、証明書類の提出(マーカー部分)はあくまでも任意であって、アカウント再開には必須ではないということです
より重要なのは、その下の原因や対策などをしっかりと記載した改善計画です。
そのため知的財産権では、原因や対策などを記載した改善計画こそ最重要です。
— 権利侵害が申し立てられている出品商品の真贋の証明(請求書、注文番号、許可書、ライセンス契約、裁判所命令など)。
— 現在は権利を侵害していないこと、また今後も侵害しないことを保証するために行った対応。
— その他の関連情報。
— 通知が誤って送られてきたか、通知が誤っているとお考えの場合、証拠となる詳細な情報。
なお、アカウント閉鎖の初回メールでは、上記のような文言の通知が届くことがありますが、この場合は青色マーカーの部分だけを返答すればOKです。僕は残りの部分を書いたことがありません。
「各権利の特徴」を意識して書く
改善計画のコツとしては、各権利ごとの特徴を意識して具体的に記載する必要があります。
漠然と知的財産権について書くのではなく、今回の問題が「どの権利」で「どの商品を」「どのように」権利侵害をしてしまったのかまで具体的に記載する必要があります。
今後の予防策を「流れ」で書く
上記のように各権利の特徴を意識しながら「問題の原因」を作ったら、次はそれらの原因に応じた「今後の予防策」を記載していきましょう!
ちなみに僕が予防策を記載する際は「流れ」を意識して記載するようにしています。
改善計画「予防策」の5ステップ
- 仕入時の対策
- 商品到着時の対策
- 出品時の対策
- 定期的な対策
- 梱包・発送時の対策
上記のように商品の仕入れ〜注文・配送までの時系列で対策を考え、記載していきましょう。
商品の流れを意識して具体的な改善案を提示することができれば、Amazonも「なるほど、これなら二度と知的財産権の問題が発生しないな」と納得して再開させてくれることが多いですね。
知的財産権侵害が解決できない場合
アカウントを取り戻すためには数千文字の分量でAmazonが求めている内容での改善計画を提出する必要があります。
しかし改善計画書を、初めてアカウント停止になった方が一人で書き上げるのはかなり難しいです。もし数千文字書き上げたとしても、その内容は「相手が求めている文章」とは大きくズレていることが多いです。
提出回数が増えるごとに相手の反応は冷たくなっていき、再開しづらくなっていきます。そんな少ないチャンスに見当違いの文章を提出して、アカウント再開の機会を逃してしまうのは非常にもったいないです。
そんなお困りのセラーのため、弊社では合計700件以上のアカウント再開実績を通じてAmazonアカウント復活代行サポートを実施中です!専門家の私が全力でサポートします。
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お困りの方は、ぜひ一度弊社までご相談ください。
知的財産権侵害のアカウント停止まとめ
以上、知的財産権侵害でのアカウント停止への対処法まとめでした。
知的財産権の知識は深まりましたでしょうか?改善計画のコツを掴めたでしょうか?
お困りの方に向けて、少しでも参考になっていれば嬉しいです。