どうも! 吉田航基(@hiyoko_tabi)です。
今回は僕がキューバに行く際に経由したメキシコシティ国際空港についての記事です。たかがトランジットですが、わりととんでもない目にあっています!
そんな実体験から語る、メキシコシティ国際空港あまり経由すべきでない理由と、念の為行った時のポイントも一緒にまとめていきます。
メキシコシティ空港トランジット体験談
2018年1月に、オードリー若林のキューバ紀行本を読んだ僕は、突然中南米のキューバに行きたくなってしまい、1週間の一人旅に出かけることにしました。
その途中にメキシコシティ国際空港でお昼から6時間ほどのトランジットがあったのですが、まさかそのまま治安最悪のメキシコシティで夜を明かすことになるとは、この時は思いもよりませんでした。
トランジットが存在しない…!?
2018年1月、成田空港からメキシコ行きの飛行機に乗った僕は隣の日本人夫婦と仲良くなっておしゃべりしていました。
「メキシコのカンクンで日本語を教えている娘に久しぶりに会うんですよ」
そんなお話を聴きながらほっこりとしたそんなフライトでした。そうこの時までは。
メキシコシティ国際空港についた僕は、なんとトランジットなのに荷物と一緒に空港のターミナルに放り出されたんです!
どうやらメキシコシティ空港ではトランジットは存在せず、メキシコに一度入って入出国手続きをする必要があるみたいです。めんどい…
そのため、治安が悪いで有名なメキシコシティ市街地となんの仕切りもない、空港ターミナルで6時間待つことになりました。
荷物持っていかれた!
一度メキシコに入国した僕の場合、6時間後の出発なのでそれまでにメキシコから出国手続きをする必要があります。その時、事件は起こりました。
入国管理官に「荷物はどうする?」と聞かれた僕は、「あ〜、together!(一緒に)」と伝えます(バックパックなので預け荷物はない)
あとで気づくのですが、この英語は全く相手には通じていません。
そのあと秤を指さされ、「とりあえずここに持っている荷物全て載せろ」的なことを言われたので、とりあえず財布を入れたポーチまで全て載せたところ、そのまま後ろに運ばれていく僕の荷物。
てっきり、機内持ち込みの荷物の重さを図るだけだと思っていたので、まさかそのまま全財産を持っていかれるとは思わなかったんです。
英語が話せないばっかりに…。
荷物を取り返せ!
ていうか、これめちゃくちゃ一大事なんです。財布入ったポーチもパスポートも全て持っていかれています。これでは出国手続きすらできない…。
ようやく状況を入国管理官に伝えることができて、荷物を探してくれることに。しかし待てども待てども荷物は現れない…。
たった数分前に運ばれていった荷物が手元に戻ってきたのは、それからなんと3時間後。完全にロストバゲージされたと思いました…。
ぜひこれからメキシコに行かれる方は以下のようなお腹に入れるタイプのポーチにお金を分散しておきましょう。
今度は財布がない!
3時間かけて荷物を取り戻したので、一安心して水でも買おうとバックを探すのですが、その時何か大切なものを無くした時のあの背筋が凍る感じが。
いくら探しても、ポーチに入っていたはずの僕の財布が見当たらない。旅行用に現金がたんまりと入っている僕の財布がどこにもなかったんです。
よく考えてみると、先ほど荷物を持っていかれたベルトコンベアの先の遠い場所にいた入国管理官、なんかごそごそ僕のカバンを漁っていたような…。
事情に空港の人に伝えるも、まあ当然見つからない。そりゃ見つかればクビだから絶対見つからないように隠すよね。
そしてまさかトランジットで盗まれると思っていないので、実はまだ現金もカードも全て財布に一つにまとめてある状態でした。
つまり今手元にあるのは、スマホと服のみ。やべぇ。
大使館に電話
さすがに状況がやばすぎるので、とりあえず空港の人に日本大使館の電話番号を聞いて、メキシコの日本大使館に助けを求めることにしました。
しかし返ってきた答えは、相談くらいは乗るけど大使館に泊めることも現金を貸すこともできないという冷たい返事。
ちなみに当時の状況を以下にまとめるとこんな感じ。完全に映画「ターミナル」状態でした。映画の主人公になりたい系の人は、こんな状況でも楽しめるのだろうか…?
- 現金もカードも0。つまり僕の口座にお金が入っていても1円も引き出せない。喉乾いた…お腹すいた…
- 半径数km以内のどこにも無料wi-fiがない。お金がないからwi-fiを使える場所が使えない。スマホがあっても助けも呼べない、対処法も調べられない。
- お金がないのでキューバに行くことも日本帰ることもできない状態。ていうかもし羽田までたどり着いても、自宅(大阪)までどうやって帰ればいいの?
ウエスタンユニオンという救世主
何度か大使館に電話をかけてみたところ(お金かかること覚悟なら、通話は可能)、そういえばウエスタンユニオンなら現金引き出せるよ?という答えが返ってきました。
ウエスタンユニオンは世界中にある大きな金融会社とのこと。
僕の両親が日本のウエスタンユニオンに10万円お金を預けて、その予約番号を僕にLINEで送ったら、僕はメキシコのウエスタンユニオンでその番号を伝えて10万円分を現地のお金で引き出せます。
救世主すぎる!!(↓きっと創業者はこんなイケメンなはず)
なんて頼もしい仕組みなんだ!
例えば郵便で現金書留とか日本から送ったとしても、1週間とかかかってしまいます!両親には申し訳ないですが、数時間後、無事予約番号をGETすることができました!
ちなみにスマホの設定でデータローミングという機能を使えば、wi-fiがなくても海外でインターネットに繋ぐことは可能です。ただめちゃくちゃ高額請求がくるので、一瞬しか使えない!
OXXO(オクソ)を探せ!
さて、問題なのはここからです。メキシコシティにウエスタンユニオンがない限り、僕は1円も引き出すことができずに結局ターミナル状態です。
時間は夜の9時。大使館の人と電話しながら(電話料金がやばいので、時々向こうからかけてきてくれる。心配してくれるし超優しい方でした)全く情報のないメキシコシティのウエスタンユニオンを探す旅に出ます。
大使館の人曰く、OXXO(オクソ)というメキシコで有名なコンビニなら、取り扱っている可能性があるとのこと。なるほど。
どうやら空港内にOXXO(オクソ)が3つもあるとのこと。そこで広い空港内を2時間ほど歩き回り、2つに別れているターミナルをメトロで行き来しながらOXXO(オクソ)を3つ探し当てました。しかし3つとも「??そんなサービスあるわけないじゃん?」な反応。
そこで再度大使館の方に聞いたところ、メキシコシティ市街の大きめのOXXO(オクソ)なら、あるっぽいよ!との答えが。
…本当だな?真夜中のメキシコシティをあてもなく一人で歩いても大丈夫なんだな?夜になってから外から野犬の遠吠えとか聞こえるけども。
ちなみに、キューバ行きの飛行機は次の日の10時半に変更してもらいました。事情を説明したら、無料で日程や時間を変更してくれました。優しいのか厳しいのかわからんメキシコ…。
だからこそ真夜中にでもOXXOを探し当てないと、次の日の十時半に間に合わなかったんです。
真夜中のメキシコシティ市街
というわけでOXXO(オクソ)のウエスタンユニオン取扱店を探すため、あてもなくメキシコシティをさまようことに。
データローミング機能を一瞬ずつ使い、Googleマップで現在地とOXXOの位置を確かめながら、一軒一軒探していく。
まずメキシコシティで特筆すべきはこの空気のピリピリ感だと思う(こんなん↓)
ここまで命の軽い雰囲気を感じた場所は、後にも先にもここくらいです。
最初にマフィアがバイクで集団暴走している大通りを抜けたら、あとはスラムっぽいところや、野犬がうろうろしている中をひたすら歩いていく感じです。めちゃくちゃ怖ぇ…。
そしてOXXOに着いたら、大使館の人に電話して店員さんに通訳してもらっての繰り返し。(スペイン語)そして取り扱ってないですね〜と言われる繰り返し。
5軒回って5軒とも取り扱いなし。全然取り扱ってないじゃん!!!
最終的に真っ暗なメキシコシティをトボトボと空港に戻っていく、その時刻は真夜中の2時。
すでに10時間以上飲まず食わずで歩き続けて、さすがにもう限界が近い…。
日本人を探せ!
さて八方塞がりの状態で空港に戻ってきてしまった僕が次に考えたのが「自分でインターネットでウエスタンユニオンの場所を探すしかない」ということでした。
しかし前述の通り、無料wi-fiが皆無のメキシコシティ。せめて500円くらいあればwi-fiのあるターミナルのカフェに入れるのに…(どの店も注文しないとwi-fiパスワードは見れないようになっている。厳しい…)
そこで僕が考えた策が、「日本人を見つけよう」ということでした。
もし日本人を見つけたら口座番号をお聞きして、僕がスマホからネットから振りこみをし、その同じ額を現金で交換してもらうという色々と善意に甘える計画です。一人の日本人としてあまり良くないことをする予感…。
しかしこれをやらないと僕はターミナル状態から抜け出せません。
そこで、そこからさらに数時間飲まずくわずでターミナルを歩き回った結果、一人で地球の歩き方を読んでいる30代の日本人男性を発見。
恐る恐る声をかけさせていただいたところ、なんと旅行帰りで余った2000円分のメキシコペソを振込で交換してもらうことに成功しました!こんなに人に感謝したことはありません。ついでにいえばここまで土下座に近い頼み方をしたのも初めてかもしれません。
17時間ぶりの水!食べ物!
無事にお店に入ることができメニューを確認すると、そこには夢にまで見たお水も食べ物もある…。
とりあえず残ったお金でステーキと水をチョイスしたのですが、これがとにかくうまかったんです!!!
そして本題のウエスタンユニオンの場所を調べたところ、
空港から歩いて30分の場所に「エレクトラ」という電気店があって、そこには銀行も併設されていてちゃんとウエスタンユニオンが存在するとのこと。やったぜ!
ただ一つ問題なのが、エレクトラがひらくのが朝の9時。そして飛行機の出発が10時半。
時間ギリギリ!早朝のエレクトラ
エレクトラの9時オープンというのが、実はかなりギリギリだったんです。
最低でも9時半までにエレクトラを出て10時前にはターミナルで出国手続きをしないと、間違いなく10時半の飛行機には乗れないという状況。
そのためもしすんなり引き出せなかったら、飛行機逃してまた半日はターミナル状態という爆弾のような不安感を抱えながら、9時にエレクトラの前についた僕が見た光景がこちらです。
最低でも30分で全てを終わらせる必要があるのに、これは時間的に超やばいです。
焦りながら、ウエスタンユニオンの行列に並んでいる僕。
そこから15分かかってようやく受付の番になったのですが、なんどもパスポートを確認され、さらに10分ほど待たされるという謎の焦らしを食らいます。早くしてくれ…。
それを乗り越え、ようやく現金をもらった瞬間はもうガッツポーズでした。間に合った〜!!
これでようやく、お金を持った状態でキューバ行きの飛行機に乗ることができる権利を手に入れました!テンションアゲアゲで、メキシコの写真とか取りながら空港まで戻っていきます。
そして出国〜
そしてギリギリながら、無事メキシコを出国。
僕は1日ぶりにキューバへ向かうことができました。
キューバは中南米でもかなり治安がいい国なので、メキシコの恐ろしさに比べたらキューバは日本みたいなものでした笑。
過去の恐ろしい体験を忘れるかのごとく、ひたすら外人と仲良く喋っていた5日間でした。
メキシコシティ空港トランジット注意点まとめ
メキシコの恐ろしさを胸に秘めて帰国した僕がまとめたメキシコシティ国際空港の注意点は以下です。(海外旅行全般にも当てはまります)
- 基本的な英語は勉強すべき(荷物を預けないときは No baggageと伝えましょう)
- 荷物はなるべく預けないようにしましょう。バックパック推奨です。そして絶対に貴重品は預けないこと。
- お金やカードは日本を出る前に分散管理しましょう。貴重品の管理もしっかりと!
- 事前に大使館やクレジットカードの電話番号をメモしておきましょう。(ちなみにクレジットカード会社の電話番号は地球の歩き方の裏側に、そして大使館の電話番号はクレカを止める時、担当者に聞けば教えてくれます。)
- 困ったときはウエスタンユニオンを活用しましょう
- そして本当に困ったときは日本人を探して頼りましょう
もはや海外旅行というよりもサバイバルだった僕の実体験ですが、メキシコシティ国際空港を利用する方は数%でもこうなる可能性は十分にあります。
上記の注意点や対策を読んでいただいて、あなたの旅行が素敵なまま終わることを祈っています。